「黄金町」と聞いて「ああ、横浜の黄金町ね」とイメージ出来る人が全世界にどれだけいるのか?
この町で映画祭を開くに当たり準備を進める中で、頭に「横浜」とつけ
「横浜 黄金町映画祭」とすることがまず最初の決定事項であったように思います。
世界有数の港町である横浜は、かつては映画の町でもありました。
港に陸揚げされたフィルム達が、文字通り封切りされて町中のスクリーンに映される。
日劇を始め町には数多くの映画館が存在し、最新の映画が観客達を魅了していたのです。
横浜は誰よりも早く、それこそ東京よりも早く、最先端の映画を楽しめる町だったのです。
それは僕の知らない、古の横浜の姿でした。
そんな当時の賑わいを忍ばせていた日劇も、昨年、惜しまれつつ解体され
黄金町は横浜の片隅で、裏町の佇まいを残したまま、ひっそりと息をひそめていたのです。
日本映画が盛況を極める昨今、世界の映画祭でも大いに注目される存在となり
日本映画のみ上映される映画祭が開かれるほどに大きく成長した文化となりました。
そんな海の向こうの映画祭に旅立って行った映画達が、この夏、横浜黄金町に再上陸します。
この再上陸した映画達を、夏の始まりを告げる一週間で大いに楽しんでもらおう。
そして作り手や観客、興行に携わる人々の垣根を取り払い、気軽に交流を深めてもらおう。
これが「横浜 黄金町映画祭」のメインテーマとなりました。
黄金町には大岡川という川が流れています。
横浜港から大岡川を遡って吹いて来る風が心地良い、風通しの良い町です。
一方で、港町であるが故に様々な人々が風に吹かれて流れ着き、去って行く、懐の深い町でもあります。
歴史を振り返るまでもなく、今も港の裏町ならではの多様な面を持ったディープな町です。
そんな許容範囲の広い寛大な町で開かれるからこそ、風通し良く、懐の深い映画祭でありたい。
今回、横浜港に陸揚げされる映画達も、そんな港町の風に吹かれて川を遡ってやって来ます。
どうぞ皆様、映画と一緒に黄金町へいらっしゃってください。
そして映画を観て語り合い、町を歩いて人とふれあい、この町の風通しの良さや懐の深さを感じて下さい。
いつか「黄金町映画祭」が海の向こうでも通じるようになることが僕の願いです。
「横浜 黄金町映画祭」実行委員長
渡辺国寿
